複雑多様化した現代社会で生活する多くの方はストレスを受けています。
ストレスの影響は、不安・うつなどの心理的反応、頭痛・肩凝りなどの身体的反応、飲酒・喫煙・食行動などの生活習慣の変化という行動的反応にあらわれます。ストレスが過剰であったり、うまくストレス解消できないと、種々の精神的・身体的・行動的症状となりかねません。本クリニックではこうした症状を持つ方に寄り添いながら、適切な医療の提供を目指しています。
パニック障害は不安障害のひとつで、異常に不安な状態が高まってしまうことで、日常生活にも影響が及んでいる状態を言います。
これは何の前触れもなく、いきなり不安感や恐怖感に見舞われます。それによって、めまい、動悸、息苦しさ、胸痛、吐き気といった「パニック発作」が起きるようになるのですが、これを経験した本人は次にいつ起きるかという不安感や恐怖感が常につきまとい(予期不安)、もしパニック発作が起きたときに助けが求められない場所(満員電車 など)にはいたくないという心理状態から、そのシチュエーションを避ける(広場恐怖)ようになり、やがて外出そのものを恐怖と考え、日常生活にも支障が出るようになります。これがパニック障害です。
なお、パニック発作自体は、数分~30分程度で治ります。心電図や血液検査などをしても異常を認められることはありません。また原因は不特定となっていますが、心配性で几帳面な性格の方に発症しやすく、発作のきっかけには疲労やストレスなどが考えられています。このほか、半数以上の患者さんに、うつ病が併発しているとも言われています。
治療については、薬物療法と認知行動療法を組み合わせることが大半です。薬物療法は、パニック発作を抑えることを目的に行い、抗うつ薬や抗不安薬を使用していきます。認知行動療法では、自分の陥りやすい思考や感情パターンに気づいて、心をうまくコントロールできるようにしていくほか、回避行動を取ってしまいたくなる場所に意図的に行き、心身を慣れさせる暴露療法などをすることもあります。