複雑多様化した現代社会で生活する多くの方はストレスを受けています。
ストレスの影響は、不安・うつなどの心理的反応、頭痛・肩凝りなどの身体的反応、飲酒・喫煙・食行動などの生活習慣の変化という行動的反応にあらわれます。ストレスが過剰であったり、うまくストレス解消できないと、種々の精神的・身体的・行動的症状となりかねません。本クリニックではこうした症状を持つ方に寄り添いながら、適切な医療の提供を目指しています。
発達障害は病気ではなく、生まれついての特性と言われています。その原因につきましては現時点で特定されていませんが、脳機能の発達のアンバランスさが生じることで起きると考えられています。発症には遺伝が関わっているという指摘もありますが、その遺伝や環境要因(いじめや虐待、ストレス、トラウマ など)によって起こるのではないかと言われています。
なお発達障害と一口に言いましても、行動や認知の特徴から、主に自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害の3つに分けられます。ちなみに自閉症スペクトラム障害(ASD)につきましては、従来から発達障害のひとつとして知られている「広汎性発達障害」や「アスペルガー症候群」などをひとまとめにして、ASDとして一本化したものです。
ASDの主な特徴は、人の気持ちを理解するのが苦手、冗談や比喩が理解できない、興味のあることを一方的に話し続ける、表情や目配せといった非言語的なサインを読み取るのが困難ということがあります。また、日課・習慣の変化や予定の変更に対応しづらく、特定の物事に強いこだわりがあり、自分の好きなことや興味のある対象には毎日何時間でも熱中するなど、同一性へのこだわりや興味・関心の狭さというのもあります。
このような徴候は1歳を過ぎた頃からみられ、「人の目を見ることが少ない」「指さしをしない」「他の子どもに関心が無い」といった様子が見られるようになります。そのため保育園や幼稚園に入った後も一人遊びをすることが多く、集団行動が苦手であることから、人との関わり方が独特であるため気づくこともあります。
ADHDは、7歳頃までに多動-衝動性(多動-衝動性優勢型)、不注意(不注意優勢型)、上記2つが混合したタイプ(混合型)の3つのいずれかがみられている状態で、小学生によくみられるのが多動-衝動性優勢型と不注意優勢型です。
多動-衝動性優勢型は、座っていても手足をもじもじさせる、席をすぐに離れる、おとなしく遊んでいられない、じっとしていられない、しゃべり過ぎる、順番を待てない、他人の会話やゲームに割り込むといったことがよく見受けられます。一方の不注意優勢型では、学校の勉強でうっかりミスが多い、課題や遊びなどで集中が続かない、話しかけられても聞いていないように見える、課題や作業の段取りを組むのが下手、整理整頓が苦手、忘れ物や紛失が多い、気が散りやすい、といった状態が見られます。
なお多動症状に関しては、成長していくことで軽くなるのが一般的ですが、不注意や衝動性の症状については半数が青年期まで、さらにその半数は成人期まで続くと言われ、思春期以降では、不安・うつ症状を併発することもあります。