複雑多様化した現代社会で生活する多くの方はストレスを受けています。
ストレスの影響は、不安・うつなどの心理的反応、頭痛・肩凝りなどの身体的反応、飲酒・喫煙・食行動などの生活習慣の変化という行動的反応にあらわれます。ストレスが過剰であったり、うまくストレス解消できないと、種々の精神的・身体的・行動的症状となりかねません。本クリニックではこうした症状を持つ方に寄り添いながら、適切な医療の提供を目指しています。
腹痛や下痢、あるいは便秘などの消化器症状があるにも関わらず、検査をしても消化器官の異常(炎症や潰瘍などの病変)が全く認められないという場合は、過敏性腸症候群が考えられます。
なお発症原因については、現時点で完全に解明されたわけではありませんが、精神的ストレス、不安や緊張、過労などによって自律神経が作用してしまい、それによって腸の運動や消化液の分泌活動が支障をきたすようになって、消化器症状が起きるのではないかと言われていますが、そのほかにも大量のアルコール摂取、暴飲暴食、日頃の不摂生な生活習慣(不規則な食事や睡眠不足、運動不足 など)などによって起きることもあります。
同疾患は、日本人全体で1割程度の患者さんがいるとされ、20~40歳代の働き世代に発症しやすいと言われています。なお男性は下痢、女性は便秘の症状がよく現れますが、人によっては便秘と下痢を繰り返すこともあります。
完治させる治療法というのが、現時点では確立しておりませんので、主に対症療法となります。つまり下痢や便秘があるという場合は、下痢止めの薬や整腸剤といった薬物療法となりますが、これでは根本的な解決とはなりません。
そのため、ストレスによっていつも発症しているのであれば、その原因を取り除く、それが困難であれば思考を変えるなどしてストレスを感じない状態にすることが必要です。また暴飲暴食や多量な飲酒が原因であれば、生活習慣を改善するようにし、それらと対症療法と共に行うようにしていきます。