ED(勃起不全)とは
ED(Erectile Dysfunction:勃起不全)とは、性行為に十分な勃起が得られない、または維持できない状態が持続することをいいます。日本性機能学会と日本泌尿器科学会の「ED診療ガイドライン」では、「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」と定義されています。
「完全に勃起しない」だけがEDではありません
EDというと「まったく勃起しない状態」をイメージされる方が多いですが、それだけがEDではありません。以下のような状態も医学的にはEDに含まれます。
- ・勃起はするが、十分な硬さが得られない
- ・性行為の途中で萎えてしまう(中折れ)
- ・勃起するまでに時間がかかるようになった
- ・以前と比べて勃起の頻度が減った
- ・パートナーの前でのみ勃起が困難になる
- ・朝立ち(夜間勃起)が以前より減った
これらの症状が時々起こる程度であれば問題ありませんが、継続的に起こる場合はEDの可能性があります。
EDの有病率 — 決して珍しい病気ではありません
日本における疫学調査によると、成人男性の約25%、4人に1人がEDの症状を経験しているとされ、推定患者数は約1,130万人にのぼります。加齢とともに有病率は上昇し、40代では約20%、50代では約40%、60代では約60%とされています。
しかし、20〜30代の若年層でもストレスや心理的要因によるEDは決して珍しくありません。近年はスマートフォンやPCの長時間使用による運動不足、精神的なプレッシャーなどを背景に、若年層のED相談が増加傾向にあります。
EDは治療可能な疾患です
EDは適切な治療により改善が期待できる疾患です。PDE5阻害薬(ED治療薬)の有効率は70〜80%と高く、多くの方が治療により性機能を回復しています。恥ずかしさから受診をためらう方も多いですが、EDは生活の質(QOL)やパートナーとの関係性に大きく影響する疾患であり、治療を受けることは決して恥ずかしいことではありません。
当院のオンライン診療であれば、プライバシーに配慮した環境で医師に相談することができます。対面での診察に抵抗がある方も、来院の負担を抑えながらご利用いただけます。
EDの重症度分類
EDは症状の程度によって、以下の3段階に分類されます。
- ・軽度ED:性行為の際に、ときどき十分な勃起が得られない状態。勃起できることもあるが、安定しない
- ・中等度ED:性行為の際に、しばしば十分な勃起が得られない状態。成功する回数より失敗する回数のほうが多い
- ・重度ED:性行為の際に、常に十分な勃起が得られない状態。自力での勃起がほぼ不可能
軽度EDであっても医学的な治療の対象です。むしろ、軽度の段階で治療を開始したほうがPDE5阻害薬の有効率が高く、心因性の悪循環(失敗体験 → 予期不安 → さらなる失敗)を早期に断ち切ることができます。「まだ軽いから大丈夫」と放置せず、気になった段階でご相談ください。
EDと心血管疾患の関係
近年の医学研究で、EDが心血管疾患(心筋梗塞・狭心症など)の早期警告サインとなる可能性が注目されています。その理由は血管の太さにあります。陰茎動脈の直径は1〜2mmと非常に細く、心臓の冠動脈(3〜4mm)よりもかなり細いため、動脈硬化の影響がより早い段階で現れます。
疫学的な研究では、EDの症状が現れてから心血管イベント(心筋梗塞や狭心症の発症)が起こるまで3〜5年の時間差があることが報告されています。つまり、EDは心臓や血管の異常を身体が発している初期のサインである可能性があります。
EDの症状がある方、特に40歳以上で生活習慣病のリスク因子(高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、肥満)をお持ちの方は、ED治療と合わせて心血管系の検査を受けることをお勧めします。EDをきっかけに全身の健康状態を見直すことが、将来の重大な疾患の予防につながります。
EDの原因 — 4つのタイプ
EDの原因は大きく4つのタイプに分類されます。実際には複数の要因が重なって発症するケースが多く、原因を正確に特定するためには医師の診察が重要です。
1. 器質性ED — 身体的な原因によるED
血管・神経・内分泌(ホルモン)など、身体的な原因によるEDです。ED全体の60〜80%を占めるとされ、加齢とともに増加します。器質性EDはさらに以下のタイプに分類されます。
血管性ED
最も多い器質性EDのタイプです。勃起は陰茎海綿体への血流増加によって起こりますが、動脈硬化によって血管が狭くなったり硬くなったりすると、十分な血液が陰茎に流れ込めなくなります。動脈硬化のリスク因子である高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、喫煙、運動不足は、そのままEDのリスク因子でもあります。
陰茎動脈は冠動脈(心臓の血管)よりも細いため、動脈硬化の影響がより早期に現れます。そのため、EDは心血管疾患(心筋梗塞・狭心症など)の早期警告サインである可能性が指摘されています。EDの症状が出た場合、心血管系のリスクについても医師に相談することをお勧めします。
神経性ED
勃起は脳からの性的興奮の信号が神経を通じて陰茎に伝わることで起こります。この神経伝達経路に障害が生じるとEDが発症します。原因として、脊髄損傷、多発性硬化症、パーキンソン病、脳卒中後遺症、糖尿病性神経障害(糖尿病の合併症として末梢神経が障害される)、骨盤内手術(前立腺がん手術など)の際の神経損傷などが挙げられます。
内分泌性ED
男性ホルモン(テストステロン)の低下によるEDです。テストステロンは性欲や勃起機能の維持に重要な役割を果たしています。加齢に伴いテストステロンは徐々に低下しますが、急激な低下が起こると、性欲減退やEDが顕著に現れます。これはLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群、いわゆる「男性更年期障害」)と呼ばれることがあります。倦怠感、気分の落ち込み、集中力低下なども伴うことがあります。
2. 心因性ED — 精神的・心理的な原因によるED
身体的には問題がなくても、精神的・心理的な原因で勃起が困難になるタイプです。20〜40代の若年〜中年層に多く見られます。心因性EDはさらに「現実心因」と「深層心因」に分けられます。
現実心因とは、日常のストレスや具体的な体験に基づく心理的要因です。仕事や人間関係のストレス、経済的不安、パートナーとの不和、過去の性行為での失敗体験、「次も失敗するのでは」という予期不安(パフォーマンス不安)などが含まれます。特に予期不安は、一度の失敗体験がきっかけとなり、「また失敗するかもしれない」という不安が悪循環を生むケースが多くあります。
深層心因は、本人も自覚していない無意識レベルの心理的問題です。幼少期のトラウマ、性に対する罪悪感、パートナーへの抑圧された感情などが含まれます。深層心因によるEDは、薬物療法だけでは改善が難しく、カウンセリングや心理療法が必要になる場合があります。
3. 混合型ED — 最も多いタイプ
器質性と心因性の両方の要因が重なって発症するEDです。実際の臨床現場では、この混合型が最も多いとされています。
典型的なパターンとして、加齢による血管機能の低下(器質性要因)で勃起力がやや低下したところに、一度の失敗体験がきっかけとなって心理的なプレッシャー(心因性要因)が加わり、症状が悪化するケースがあります。また、糖尿病や高血圧の治療中の方が、疾患自体による器質性の影響と、疾患を抱えている不安による心因性の影響の両方を受けて発症するケースもあります。
混合型EDの治療では、PDE5阻害薬による薬物療法が有効です。薬の力を借りて勃起に自信を取り戻すことで、心因性の要因も徐々に改善されていくことが期待できます。
4. 薬剤性ED — 服用中の薬が原因
服用中の薬剤の副作用としてEDが発症するタイプです。EDの原因となりうる主な薬剤には以下のものがあります。
- ・降圧薬(特にβ遮断薬、サイアザイド系利尿薬):血圧を下げる作用が勃起に必要な血流にも影響する場合があります
- ・抗うつ薬(SSRI、三環系抗うつ薬):セロトニンの増加が性機能に影響を与えることがあります
- ・抗精神病薬:ドパミン遮断作用によりプロラクチンが上昇し、性機能が低下することがあります
- ・抗アンドロゲン薬(AGA治療薬を含む):男性ホルモンの作用を抑えることで、まれに性機能に影響が出る場合があります
- ・利尿薬:体液量の減少により、勃起に必要な血流が低下することがあります
- ・消化性潰瘍治療薬(H2ブロッカー):抗アンドロゲン作用を持つものがあります
薬剤性EDが疑われる場合でも、自己判断で服用中の薬を中止してはいけません。原疾患の治療が中断されることで重大な健康リスクが生じる可能性があります。必ず処方医にご相談のうえ、薬の変更や用量調整を検討してください。当院のWEB問診では服用中のお薬についても確認し、安全にED治療薬を処方できるかを判断します。
5. 生活習慣とED
上記の4つの分類に加えて、日常的な生活習慣もEDのリスクに大きく影響します。生活習慣の乱れは血管機能やホルモンバランスに影響を及ぼし、EDの発症・悪化の要因となります。
- ・運動不足:定期的な有酸素運動は血管内皮機能を改善し、勃起機能の維持に寄与します。座位時間が長い生活は血流の低下を招きます
- ・肥満:BMI 25以上の肥満はEDのリスクを約1.5倍に高めるとされています。内臓脂肪の蓄積はテストステロンの低下や血管機能の悪化につながります
- ・喫煙:喫煙はEDのリスクを1.5〜2倍に高めます。ニコチンは血管を収縮させ、動脈硬化を促進するため、勃起に必要な血流を妨げます。禁煙によりリスクは徐々に低下します
- ・過度な飲酒:少量のアルコールはリラックス効果がありますが、過度な飲酒は神経伝達を鈍らせ、テストステロンの分泌を低下させます。慢性的な大量飲酒は肝機能障害を通じてホルモンバランスにも影響します
- ・睡眠不足:テストステロンは主に睡眠中に分泌されます。慢性的な睡眠不足(6時間未満)はテストステロンの低下を引き起こし、性機能に影響を与えます
生活習慣の改善はED予防・改善の土台として重要ですが、中等度〜重度のEDの場合、生活習慣の改善だけで十分な効果が得られることは多くありません。PDE5阻害薬による薬物療法と生活習慣の改善を並行して進めることが、より効果的なアプローチとなります。
ED治療薬の種類
現在のED治療の第一選択はPDE5阻害薬による薬物療法です。PDE5阻害薬とは、勃起を妨げる酵素(PDE5:ホスホジエステラーゼ5型)の働きを阻害することで、陰茎海綿体への血流を改善する薬です。
重要な点として、PDE5阻害薬は性的刺激があった場合に勃起を補助する薬であり、性欲を高める薬ではありません。性的な興奮がなければ勃起は起こりません。自然な形で性機能をサポートする薬とお考えください。
PDE5阻害薬の有効率は70〜80%と高く、器質性ED・心因性ED・混合型EDのいずれにも効果が期待できます。当院では以下の2種類の治療法を提供しています。
デイリータダラフィル
毎日低用量を服用 — タイミングフリーの治療
タダラフィル(シアリスの有効成分)を毎日3mg〜6mgの低用量で服用します。タダラフィルは他のPDE5阻害薬と比べて半減期(薬が体内で半分になるまでの時間)が約17.5時間と長く、毎日服用することで薬効が常に体内に維持されます。
最大のメリットは「タイミングを気にする必要がない」ことです。「薬を飲む → 何時間以内に行為をしなければならない」というプレッシャーがなく、自然な形で性生活を送れます。この「タイミングフリー」の特性は、心因性EDの方にとって予期不安の軽減にもつながります。性行為の頻度が週2回以上の方や、パートナーとの自然なコミュニケーションを重視する方に適しています。
低用量での継続服用のため、頓用(必要時に高用量を服用する方法)と比べて副作用が軽減される傾向があります。頭痛や消化不良などの副作用が気になる方にも選ばれています。
バルデナフィル
必要なときに服用 — 即効性の頓用タイプ
バルデナフィル(レビトラの有効成分)を性行為の約30分〜1時間前に服用します。即効性に優れ、約15〜30分で効果が現れ始めます。効果の持続時間は約4〜6時間です。PDE5阻害薬の中でも特に即効性と勃起の硬さに優れるとされています。
性行為の頻度が少ない方や、必要なときだけ使用したい方に適しています。毎日薬を飲む習慣をつけたくない方にも選ばれています。ただし、食事(特に脂質の多い食事)の影響を受けやすく、空腹時に服用するのが効果的です。
ED治療薬の効果と限界
PDE5阻害薬は高い有効率を持つ薬ですが、すべての方に効果があるわけではありません。重度の血管障害や神経障害がある場合、効果が不十分なことがあります。また、PDE5阻害薬はあくまで「勃起を補助する」薬であり、EDの根本原因(生活習慣病、心理的要因など)を治す薬ではありません。
生活習慣病がEDの原因である場合は、生活習慣の改善(禁煙、適度な運動、食事の見直し)が根本的な治療につながります。心因性EDの場合は、PDE5阻害薬で「勃起できた」という成功体験を積み重ねることで、予期不安が解消され、やがて薬なしでも勃起できるようになるケースもあります。
⚠ PDE5阻害薬を使用できない方
硝酸薬(ニトログリセリンなど)を使用中の方は、PDE5阻害薬と併用すると重篤な血圧低下を引き起こす危険があるため、絶対に使用できません。また、重度の心血管疾患がある方、重度の肝機能障害がある方、網膜色素変性症の方も使用が禁忌です。α遮断薬を使用中の方は併用に注意が必要です。当院のWEB問診にて、これらの禁忌事項を事前に確認いたします。
当院のED治療の特徴
- ・デイリータダラフィルによるタイミングフリー治療 — 毎日低用量を服用することで、「いつ薬を飲むか」「いつまでに行為をするか」を気にする必要がなくなります。心因性EDの方の予期不安軽減にも寄与します
- ・低用量から始める安全な処方 — 3mgからスタートし、効果と副作用を確認しながら段階的に用量を調整します。必要最小限の用量で最大の効果を目指す処方方針です
- ・プライバシーへの完全配慮 — 配送は品名を記載しない無地の梱包、クレジットカード明細も一般的な医療機関名で表示されます。ご家族やパートナーに知られる心配はありません
- ・顔出しなしの診察も可能 — オンライン診療では、カメラをオフにしたままの音声のみの診察にも対応しています。対面での診察に抵抗がある方でも、安心してご相談いただけます
ED治療薬の比較
当院で処方する2種類のED治療薬の特徴を比較します。どちらが適しているかは、症状やライフスタイルによって異なりますので、医師にご相談ください。
タダラフィル(デイリー服用)
- ・服用方法:毎日1回、低用量(3〜6mg)を継続服用
- ・効果の特徴:薬効が常に体内に維持され、タイミングを気にせず自然な性生活が可能
- ・作用時間:半減期約17.5時間、毎日服用で血中濃度が安定
- ・食事の影響:受けにくい
- ・適している方:性行為の頻度が高い方、タイミングのプレッシャーを感じたくない方
バルデナフィル(頓用)
- ・服用方法:性行為の約30分〜1時間前に服用
- ・効果の特徴:即効性に優れ、約15〜30分で効果発現。勃起の硬さにも定評
- ・作用時間:約5〜8時間持続
- ・食事の影響:受けやすい(空腹時の服用が効果的)
- ・適している方:性行為の頻度が少ない方、必要なときだけ使いたい方
ED治療の費用
ED治療は自由診療(保険適用外)となります。不妊治療目的のED治療では一部保険適用が認められるケースがありますが、一般的なED治療は全額自己負担です。当院では診察料は無料で、お薬代と配送料のみのシンプルな料金体系です。
デイリータダラフィルは1日あたり数百円程度で治療を続けられる場合があります。毎日服用するタイプのため、月額での費用が見通しやすいのが特徴です。バルデナフィルは1回分ごとの処方となるため、性行為の頻度に合わせた費用になります。
一般的な泌尿器科やED専門クリニックでの対面診療と比べて、当院のオンライン診療ではテナント料や待合室の人件費を削減しているため、よりリーズナブルな価格でED治療薬を処方しています。
ED治療は自由診療(保険適用外)であるため、クリニックごとに価格設定が異なります。対面型のED専門クリニックでは、初診料・再診料に加え、都心部のテナント料や人件費が価格に反映されることが一般的です。当院はオンライン診療に特化することでこれらの固定費を抑え、適正な価格でED治療薬をお届けしています。診察料は無料、お支払いはお薬代と配送料のみのシンプルな料金体系です。
医療情報の信頼性について
当ページのED治療に関する医療情報は、以下のガイドラインおよび公的資料に基づき、医師監修のもと作成しています。
- ・日本性機能学会・日本泌尿器科学会「ED診療ガイドライン」第3版
- ・日本泌尿器科学会のガイドライン
- ・各製薬企業による添付文書(タダラフィル錠、バルデナフィル錠)
医療情報は定期的に最新のエビデンスに基づいて見直しを行っています。ただし、個々の患者様の症状や状態によって適切な治療法は異なりますので、具体的な治療判断は必ず医師の診察を受けたうえで行ってください。